新型出生前診断で重要になるのは、この検査方法が確定的検査ではないという点です。
例えば、新型出生前診断を利用したとしても陰性と陽性の判断は確認できます。確かに、陰性の判断が出た場合にはその信用性は高いのですが、陽性の判断が出た場合には別です。
陽性の場合には、確定的検査を行わなくてはいけなくなりますので、結果的に検査が長くなってしまうこともあります。ただ、羊水検査と比較すると安全面でのリスクは明らかに低いともいえます。
陽性の場合、確実性を断定することはできない代わりに、リスクを最小限にできるメリットが存在しますのでそのバランスを考えることが大切です。
実際に、羊水検査ではその方法の特徴から胎児の早産などのリスクを完全に排除することは難しい現状です。もちろん、そういったリスクは1%にも満たない非常に低いものです。
それでも、そういったリスクがない新型出生前診断と比較すると安全面では違いがあるのでこの点は理解しておく必要があります。
赤ちゃんが生まれてくる前に胎児に異常がないかが心配になるのと同時に、調べてはみたくても気になるのはやはり検査に伴うリスクでしょう。
従来の出生前診断と新型出生前診断とでは、検査方法の違いにより危険性も違ってきます。これまでに行われていた代表的な検査方法の中でもより精度の高い羊水検査や絨毛検査では、お腹に針を刺すという負担とそれによって流産を引き起こす可能性があり、妊婦さんと赤ちゃんの両方にとって危険性の高いものでした。
このような診断方法と比較して新型出生前診断ではどうでしょうか。
米国で始まり英語ではNIPT(non-invasive prenatal genetic testing)、つまり日本語では無侵襲的出生前遺伝学的検査とも呼ばれるように、この新しい検査方法では妊婦さんから採取した血液で胎児の染色体異常を調べられるので、母体にも胎児にも「無侵襲的」で安全です。
陽性の結果が出た場合は確定診断のために羊水検査や絨毛検査を受ける必要がありますが、陰性であれば流産のリスクのある検査を避けられるところが特徴です。
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